概要

初・洋書読書。まあいちおう、 “英検準一級への道” の続きかな。英語勉強の一環として初めてみたよ。

サマリと、所感と、初・洋書チャレンジの所感を書く。

 

サマリ

  • Nakamura Chiori ちゃん (故 K 大学1年文学部) が、新年会で急性アルコール中毒と持病のコンボにより亡くなる。
  • それを受け、父親の Nakamura Seiji くんが発狂し、大分県の Tsunojima は The Blue Mansion にて無理心中を実施する。
  • また、 Chiori ちゃんの恋人の Van (K 大学3年理学部) くんは、新年会の参加メンバーへの復讐を計画する。
  • Van くんはメンバーを巧みに Tsunojima の The Decagon House へ招き、ひとりずつ殺害していく。
    • Orczy (K 大学1年文学部) めっちゃ暗い。でもマジで文学に詳しくて緑さんの推し。
    • Carr (K 大学3年法学部) 和を乱す系。
    • Leroux (K 大学2年文学部) 丸メガネ系。素直な感じ。
    • Agatha (K 大学3年薬学部) マドンナ。男どもに珈琲を入れさせられることにいつも文句を言っているけれど珈琲を入れてくれる子。
    • Poe (K 大学4年医学部) 冷静でよく仕切る。そのため緑さんは犯人じゃないかと疑っていたが濡れ衣だった。スマン。
    • Ellery (K 大学3年法学部) イケメン。 “愚か” と評されているけれど、友達想いの男だったんじゃないかなと思う。
  • 孤島でひとり生き残ったら、犯人であることがバレバレじゃねえかと思うところだ。しかし Van くんは毎晩本土と孤島を往復し、アリバイ工作を行っていたので大丈夫だ。
  • 事件は未解決で終わりそうな勢いだった。が、ぼくらの名探偵 Shimada くんは真相に気づいていそうであった。

 

所感

  • なんだ、このパワープレイなトリック? 本土と孤島を毎晩誰にも気づかれず往復し、本土の自宅で友達と会ってアリバイ工作をするって、運に恵まれたパワープレイすぎるわ。
  • “じわじわと恐怖を与えながら殺したい” という目的を重要視するあまり、殺人の計画も行き当たりばったりだ。
  • でも、サイコパスでも何でもない、普通の感性を持つ人が、憎しみのみをエネルギーにして計画をやり遂げるとこうなる、という壮絶さはあった。
  • Van くんは普通の感性を持っているから、本書の最後には、犯行がバレることを望んでいる節さえあった。
  • “Foolish Ellery” について。外部犯の可能性を頑なに追い続ける Ellery を指す言葉だ。 Ellery は異様に冷静なので、共感能力に欠ける人だと思われていて……いや、まあそれは正しいと思うんだけど、同時に友達が好きな人なんじゃないかなとぼくは思った。友達が好きだから、みんなの気持ちが沈んでいたらお喋りで楽しませるし、暗い Orczy の良いところを発揮できるよう文学の話を振ってあげる。友達が好きだから、友達を疑わない。疑っていないから、友達を疑うようなことを言う。いや、これは矛盾ではない。絶対ありえないと思っていることって、簡単に口に出来るものなんだよ。中途半端に猜疑心があると、逆に口にできないものだ。
  • 殺害された6人は、みんなキャラクター性が豊かで、みんな好きになれたよ。だから、 Chiori ちゃんの死に、悪い形で関与しているとは、なかなか思えないよな……。本当に、不幸な事故だったんじゃないかと思える。しかし、その夜の真相について、本書で語られることはない。
  • いっしょに読んだ友人は、 “Chiori ちゃんのひとつの死が、ふたつの事件を引き起こした、という話” と総括していて納得した。ひとりの人間の生命というのは、いろんな関係性に紐づいていて、重要なものなんだよなあ、と思いを馳せてしまった。

 

洋書チャレンジの所感

THE DECAGON HOUSE MURDERS は、 “十角館の殺人” の英訳書だ。今回は、ぼくが英訳版を読みながら、同時に友人は日本語版を読む、という遊びを行った。英訳版を読むぼくと、日本語版を読む友人の意見が違ったら面白いね、というわけで。

英訳版はおよそ280ページなので、1日に10ページ読めば、一ヶ月で終わるだろう、という計画で始めたんだけれど、面白かったんで、予定よりも数日早く終えることができた。

小説を読んでいる最中に、友人と喋ったりすることはあまりない。合間合間に、事件について友人と意見交換したりするのが面白かった。

  • ぼく: ぼくが思うに犯人は Poe くんだね。 Orczy ちゃんの遺体を見たのは Poe くんだけじゃん? Poe くんは嘘をついていて、実は Orczy ちゃんは生きていて、このふたりが共謀しているんですわ。
  • 友人: 別の人がやってる可能性も十分あると思うけど。
  • ぼく: わかってる。ぼくは推しの Orczy ちゃんが生きていて欲しいなという願望をベースに推理している。
  • 友人: ハハハ!

また、同じ章を同時に読むようにしたので、わからん英文をリアルタイムで解説してくれるのも楽しめた。

  • ぼく: 激ヤバ英文来ちゃった。 … ってところの次の … みたいなとこ。
  • 友人: どこだろう。……ああ、日本語では、 … って書いてあるね。
  • ぼく: わからんすぎる。

あと翻訳ミス? を見つけた。

  • ぼく: え? Kawaminami くんの漢字って河南だろ?
  • 友人: 日本語版では江南だよ?
  • ぼく: だって ‘the Yellow River’ 黄河のカワだ、って書いてあるよ。
  • 友人: こっちでは長江のカワだって書いてある。
  • ぼく: 翻訳ミス見つけちゃったわ。
  • 友人: 見つけちゃったな。