概要

『ディストピア』が面白かったんで、その勢いのまま合計3本観たので、所感を書こうかな。

 

ディストピア (原題: The Girl with All the Gifts)

サマリ↓

  • ゾンビ細菌によって人類ほとんどがゾンビ “ハングリー” 化する
  • 感染した妊婦のお腹にいた子は、ハングリー化しつつも理性をもつ “第2世代”
  • 生き残った人類は “第2世代” を管理しつつ解剖し、ワクチンの開発を進める
  • その研究所がハングリーズに席巻されほぼ全滅する、が何人かは生き残る
  • “第2世代” のひとりメラニーは彼らをハングリーズから救い、みなの信頼を集めるが、やはり危険な旅路なので、メラニーと人間ひとりを残して全滅する
  • 道中、菌糸の塔を見つけたメラニーは菌糸を孵化させて、全世界をハングリー化させる

所感↓

  • イギリス映画。これ楽しめた!
  • グロすぎず、残酷すぎず、嫌な奴も居なくて、ドキドキ、ヒヤヒヤしつつも安心して観ていられた。
  • テンポも良い。冒頭の研究所のシーン、街中のシーン、メラニーがひとりで走り回るシーン、野生の “第2世代” が出てくるシーン。状況がくるくると変わって、惹きつけられっぱなしだった。
  • いくつか不明点もあったけれど。コールドウェル博士が次の解剖対象をメラニーに選ばせていたのは何故? メラニーが菌糸をばらまいたのは何故? 母性を持つハングリーズの伏線どうなったんだよ。だけど、鑑賞後の読後感を損なうレベルではなくて、むしろ原作に興味を持てたかもしれん。
  • 邦題ひでえな。どう考えてもこの映画のタイトルは “The Girl with All the Gifts” がベターだよ。

 

アーカイヴ (原題: Archive)

サマリ↓

  • ニッポンのヤマナシでひとりロボットの研究をするジョージが主人公。
  • そこで研究を始める前に、妻のジュールを交通事故で亡くしている。
  • でも、生前の記憶をデータに残し、死後もお話ができる “アーカイヴ” システムと契約してたから、たまにジュールとお話して過ごしている。
  • ……が、実はそのデータを勝手に抜き取り、自作のロボットに突っ込み、ジュールを蘇らせようとしているのだ。
  • 試作機の J1, J2, J3 を経て、とうとう J4 でジュールが完成する。
  • 勝手にそんなことをしているのがバレて、武装勢力が研究所へ突入するが……あれ? 武装勢力が消えた……? すべて幻だった? そう、交通事故で死んだのはジョージのほうで、ジョージはずっと “アーカイヴ” の中で研究をしていたのだ。

所感↓

  • これもイギリス映画。
  • どこのヤマナシだよ!! と常にツッコみながら観てたんだけど、なるほど! ジョージはヤマナシがどんなところか知らなかったのね! 納得。気持ちいいね。
  • 気持ちよかったのはそこくらいだぜ。なんなんだい、このサイコパス野郎は。
  • J2 の扱いが酷すぎないか? 自分より性能の良いロボットに嫉妬する J2 ちゃんを、優しくなだめるジョージ。でも直後には完全に放置する。 J3 のために J2 の脚を奪って放置する。言っていることとやっていることが違うからゾッとする。 J2 ちゃんが自死を選んだあと、お墓を作ってあげるのはいいけど、自分の子供に自死を選ばせるジョージはクソ野郎だ。
  • J3 が、記憶の中の現実 (ジョージと恋人関係である) と、現在の現実 (自分の人格はその記憶とは別にある) に苦しむ描写はキツかったな。可哀想だった。ジョージが最悪すぎる。
  • 映画の展開としては……なんか、よく分からない展開やアトリビュートが多いのだが、 “考察の余地を残しましたー、まあちょっとおかしいとこあっても全部夢だから勘弁 (笑)” 感が全開で、なんだか感じ悪かったな。

 

アンチグラビティ (原題: Кома)

サマリ↓

  • 幼稚で誰からも認められない天才建築家がカルトに招かれる。
  • そのカルトでは、昏睡状態の中にある仮想空間で理想郷を作ろうみたいな企みをしていた。建築家さんは断るけれど、昏睡させられて無理やり夢世界へ放り込まれる。
  • その中には教祖もいるのだけど、都合よく記憶を失っている建築家は、教祖の言うままに夢世界で理想の都市計画を実現する。
  • 夢世界の仕組みを知っている人は夢世界に不要らしく、教祖は夢世界のみんなを殺していく。
  • なんとか教祖をやっつけて現実に戻り、建築家は地に足のついた生活を始める。けど、未練たらしくカルトの招待状をずっと持っているようだ。

所感↓

  • これはロシア映画。
  • またクソ男かよ。彼女のほうも、 “君は看護師だろう? こんなクルマ、どうせ誰かに買ってもらったんだろう?” とまで侮辱されて、よりを戻してんじゃねーよ。
  • 夢世界の住人たちとの友情とかはゼロ。自分のことしか考えていない人は、どんな出来事があっても自分のことしか考えない人生を送るんだな、という教訓がある。
  • 邦題ひでえな。この映画をアンチグラビティと名付けるのは、『吾輩は猫である』に『迷亭くん』ってタイトルつけるようなものだろ。 “確かに作品の一要素ではあるけれど、なんでそこを選んでんだよ。”

 

おしまい

  • クソ男多くないか?