概要
こないだ親愛なるルームメイトの愛読書『キーリ』を読んで読書感想文を書いたよな。ルムメに、「読んだよー」と報告したら、「続き読む? (ドサッ)」と続きを貸してくれたので読んだ。なんか5巻以上あるんで、これ以降はサラッと読書感想文を書こうぜ。
サマリ
前回までのサマリ。
- 砂の海行きの列車へ乗ったところ。
- ハーヴェイはキーリのことを、 “彼女が手を掴まえて、一人で漂っていただけの長い長い時間の流れから引き上げてくれるような気がした” と評価している。
港編。
- ハーヴェイは旅費を稼ぐため、船乗りたちとのカードゲームでお金を稼ぐ。
“砂もぐらの七番目の息子” 号編。
- “砂もぐらの七番目の息子” 号に乗り込む。
- 船上では、キーリがユリウスと知り合う。ユリウスは教会上層部の人の息子。親の地位を笠に着る典型的なボンボン。さらにコイツには母親の霊が取り憑いているのだが、この霊は、ユリウスを庇ったキーリのことは守ってやり、同じく庇ったハーヴェイのことは放っておく奴。
- この船の船員は流れ者を殺害し、女子供を攫っている。 (えぇ……?)
- このふたりはまさに流れ者なので、ハーヴェイはぶん殴られた上に骨をバキバキやられ、キーリは攫われそうになる。ふたりは逃げ出して、 “砂歩き” 号に拾われる。
“砂歩き” 号編。
- “砂歩き” 号はハーヴェイの昔馴染みの船。
- 昔馴染みの人たちが乗っているし、昔馴染みの霊も乗っていて、エモーショナルな再開とイベントの数々が発生する。
- なのに実は “砂歩き” 号はすでに教会の友達になっており、ハーヴェイは銛で突き刺される。 (えぇ……?!)
- たまたま遭遇した幽霊船である “砂もぐらの生まれ故郷” 号に、キーリの母親の霊がおり、その霊力パワーでふたりは助けてもらう。
サウスハイロ港編。
- また漂流していたふたりだが、ボンボンのユリウスがキーリに惚れていたおかげで捜索隊を出しており、なんとか救出される。
感想
- あれ? この人たち、どうして船に乗ろうとしてるんだっけ……? 理由が書いてない気がする。
- ユリウス親子の心象悪すぎる。
- “砂歩き” 号のお婆さん、いい人みたいな雰囲気出してるけど、連中が教会の手先になっていることを言えよ。砂もぐらのエモい話も大事だけど、そっちのほうが明らかに重要だろ。
- キーリの存在がハーヴェイの救いになっているのは確かだけれど、普段の彼女の振る舞いは本当に迷惑。ハーヴェイは “俺に面倒かけるのが趣味で厄介事に足突っ込んでんだろ” “お前な、泣くくらいなら最初から勝手なことすんな” と舌打ちしているが、全くその通り。
- ……でも、キーリに出会う前のハーヴェイのような人と関わらない人生よりも、今のような、人に苛つき、怒り、救われ、大切に思う、そういう人生のほうが健全なのかな? 壁井ユカコさんが描きたいのってそういうことなのかも?
- 以下の一幕、ルムメを思い出す。
- 兵長: やっぱりちょっとくらいは妬いてたんだろ。ちょっとは反省して態度あらためる気になったんだろ。
- ハーヴェイ: だからしつこい。だいたいなんで俺が反省すんだよ。
- ハーヴェイは即座にきっぱり言い返しただけで、つい答えを期待して聞き耳を立てていたキーリは拍子抜けして小さく溜め息を漏らす……
- 以下の一幕も、ルムメを思い出す。
- ハーヴェイ: お前がいてくれてよかった。
- (中略)
- キーリ: 私も死んだら海に流してほしいな……。ごめん。言ってみただけ。
- ハーヴェイ: 二度と言うな。
- キーリ: うん。