概要
親愛なるルームメイトの、思い出の愛読書だ。気が向いたので読ませてもらった。サマリと感想を書く。
サマリ
舞台設定はこう↓
- 今から数百年前の秋に、 "11聖者と5家族" なる連中がこの星にやってきて "教会" を開いた。
- 純度の高い化石資源のおかげで、彼らはエネルギー文明を築き上げた。しかし、資源を巡る戦争により文化と資源は荒廃した。
- 戦争の中で、彼らは技術の粋を結集し、 "不死人" を作り出した。 "核" がある限り不死の戦士たちだ。
- 戦争が終わったら "不死人" は役立たずだし、核はエネルギーの塊だから、狩られる身だ。可哀想。
お話。
- さて、ここに住んでいるキーリが主人公。霊が見える。
- ある日、キーリはたまたま "不死人" のハーヴェイと出会う。彼も霊が見える。
- ハーヴェイの用事は、ラジオに憑依した "兵長" (ニックネーム) を、彼の墓に連れて行ってあげること。
- キーリが霊が見える人に会うのは初めてだったので感動。休暇を利用してハーヴェイの用事についていくことにする。ハーヴェイは迷惑がるがキーリは無理やりついていく。
- その小旅行の中で、不死人の核を狙う教会兵がハーヴェイを殺し……というか核を抜き取ってしまう。
- キーリは嘆く。しかし兵長が叱咤。一緒にハーヴェイの核を取り戻して、ハーヴェイを復活させることに成功する。
感想
- SF + 少女漫画って感じの雰囲気。
- 読者の年齢によって、キーリに感情移入して、年上のお兄さんステキ! ってなるか、ハーヴェイに感情移入して、子供マジ迷惑! ってなるか、分岐するのかなって思った。
- もちろんぼくはハーヴェイに感情移入した。
- ハーヴェイは、はじめは、旅行の邪魔をするキーリを厄介がる。しかし次第に、キーリのことを気にかけるようになる。最終的には、キーリにデレデレになっていくわけだ。その心情の変化が自然に描かれていて、納得感のある話の進み方をしていると思ったよ。
- ちなみにキーリ大好きな親愛なるルームメイトは、キーリの名言 "死んじゃえ" が好きらしいよ。いや、読んでいる最中に、思ったね。奴はこの台詞が絶対好きだろうって。
- "ひょっとしたらこの惑星に神さまはちゃんといるのかもしれない。...(中略)...ただ平等に見守るだけで決してどちらか一方をえこひいきして手を差しのべるなんてことはしないのだ。なんてありがたい神さまなんだろう。死んじゃえ。"
- 残念だけど、ぼくはまだその考えを理解する域に達していないけれど……。
- この作品は2003年発行だ。20年前。