概要
ネタバレを含めるので、先にプレイしてくれ。友人に紹介してもらったゲームだ。公式サイトはここ↓
この友人は、以前、ぼくが『ファミレスを享受せよ』を紹介した友人なので、ぼくの好みは知っているはず。わくわくしながら始めたぜ。
サマリと感想を書く。
サマリ
- 学生5人がモラル0の配信グループを結成。活動のさなかに野村さんを殺害する。
- 冤罪をかけられた如月さんは、配信グループの犯行の映像記録を入手して警察へ送るが、なぜか返答がない。家族へのバッシングを苦にして命を絶つ。
- グループのひとりの父親が警察の偉い人だったので、警察は捜査をやめて、非解決事件 (警察の都合により捜査を停止した事件) 化していたのだ。
- 如月妹は配信グループと、世間の人々への復讐を決める。ハッピー777億事件、 SAMEJIMA ウェブサイトの開設、 “都市伝説解体センター” BooTube チャンネル開設などを経て、信者を増やしていく。
- 如月妹は信者を使って、配信グループが兄を殺害した証拠であるデータの入った HDD を盗み出す。
- 如月妹は、福来あざみという無垢な人格を作り出して、都市伝説解体センターのスタッフとして活動させる。その無垢さと、本来の人格である如月妹由来の洞察力で周囲の信頼を得たあざみは、警察の非解決事件の格納庫 “クローゼット” を閲覧するに至る。
- 如月妹は配信グループの殺害の証拠を全国へ配信した上に、全 SNS ユーザの個人情報をネットへアップロードし、両者への復讐を果たす。その際に警察のサーバを踏み台に利用したことで、警察は本事件すらも “クローゼット” へ格納せざるをえなくなった。
所感
- やー、楽しめた!
- キャッチーなキャラクター、エンディングの楽曲、1話完結型のミステリー、でも実は全部つながってました系のシナリオ……ドラマを観る気分でゆっくり完走したよ。
- ドット絵いいよね! ドット絵ってなんでこんなにも魅力的なんだ?
- あざみーカワイイ! クソ野郎グループである配信グループと相対していくシナリオなのだが、どんな悪意も攻撃的な態度も、その無垢さで消化していくアホの子。アホの子ゆえに前向きなところが最初から大好きだった。しかし、それは当然のことだ、その性格は、人々に愛されるようデザインされたものだったのだから……。
- こういうさ、 “自分が大好きなキャラクターの性格が、実は都合のよいように造形されたものだった” という話が大好きだよ。自分の心が弄ばれた気分になって、 “やられた!” って感じが心地よい。
- ぼくが愛してやまない『六花の勇者』もそういう話だったな。山形先生続きを頼むよホントに。
- (2022-11-12)山形石雄『戦う司書』……と『六花の勇者』の今後について推察
- 加えて、大変重要なことだがあざみーは “チカラ” を発揮する際に眼鏡っ子になる。 (緑さんは眼鏡っ子好き)
- ジャスミンセンパイカッコイイ! 最高のお姉さん! あざみーが事あるごとにジャスミンセンパイに報告したがるのだが、こんなセンパイいたらぼくだってなんでも報告したくなっちゃうぜ。
- 以上のように、主要なキャラクターが魅力的なせいで、胸糞の悪い箇所も問題なく乗り越えることができた。そう、キャラクターが魅力的だと、どんな展開だろうと、どんな退屈な中盤の展開だろうと、 “こういう状況に際して、この魅力的な連中はどういう顔を見せてくれるのだろう” という楽しみ方ができるんだ。ロード・ムービー的な楽しみ方よな。
- 謎解きパートの難易度は、超イージーではあるのだけど、同時に、お酒を飲みながらだとよくわからんくらいのレベルでもあって、ちょうどよかった。考えても分からないレベルだと頑張る気がなくなっちゃうものだけど、ちゃんと活字を追っていけば、あざみーといっしょに “やったあ!” ってなれる。そういうライトな成功体験を積んでいけて良い感じだ。
- センター長さんの “チカラ” である千里眼のことは、最初から疑っていた。……が、しかしもうあざみーの “チカラ” も、とは……。この展開については『霊媒探偵』を思い出すよな。
- というわけで、キャラクターたちが大好きになっちゃったので、『ファミレスを享受せよ』のように、クリア後の設定イラスト集とかがあったら良かったのになーと思ったよ。本作には途中セーブ機能のようなものが存在していないので、物語の中のイラストを見返すことすらできないのでな?