概要
来たぜ、神ゲー。唯一無二の世界観。大好きだ。
出会いについては……このゲームは YouTube の実況動画で観た。実況にも関わらず大変感銘を受けて、このゲームの (視聴) 体験はよい思い出になった。ゲーム音楽は公開されているので、勉強とか読書をするときに流して、気持ちを作るのに利用させてもらっている。
こういう、雰囲気やシナリオに感動したゲームは、二周目を控えることが通例だ……。けれど、本作については、 “こんなに感銘を受けているのに自分で所有していないのは、いかに?” と思っていたのと、 “実況動画で見たのは WEB 公開版だったけれど、 Steam 版には追加会話があるらしい……気になる……” と気になっていた。そしてある夜に、 “……やっぱり自分の足でこのファミレスに行きたい!” と衝動的に思ったんだ。そんで自分でプレイしてみたよ。
コンパクトなゲームなので、遊び尽くすまでの時間が短いのも本作のアピール・ポイントのひとつだよな。
きっちりトロコンしたので、サマリと所感を書く。
サマリ
- かつて宇宙のどこかで生まれた、黒く粘性のある海。あるときそこから113の意識が生まれた。彼らは月に移り住み、 “月の民” となった……。
- 2000年ほど前に彼らは地球を見つけた。 “不可侵法: われらは永遠である” を持つ彼らは不死で、ずっと地球を見守り続けている。
- 彼らが地球へ遊びに行くときのテレポート中継地点である “ムーンパレス” は、異世界にある。原理上地球人が迷い込むことがありうる作りになっている。
- 通常、誰かが迷い込んだとしても、ムーンパレスの管理当番の “月の民” さんが、優しく記憶を消し、地球へ返送することになっている。
- ……が、今回はいろいろ偶然が重なった……。当番の “月の民” さんがおっちょこちょいだったり、 “可侵法” を犯す “月の民” さんがムーンパレスを悪用…… (うん、まあ悪用だろう) ……してたり。
- よって、今回迷い込んだ彼女たちは、なかなか地球へ帰れないことになる……。
所感
緑さんの “大好き” が詰まってる。
- そもそも脱出ゲーム大好き
- 素朴なグラフィック大好き
- シンプルなゲームシステム大好き
- ミステリー要素大好き
- “プレイヤーの想像に任せる” 範囲もあるけれど、ほぼ完全に謎が明かされるのはスッキリする
- 音楽が好み
- 勉強とか、作業をするモチベーションをくれる
本作の最高の主人公、ラーゼは勉強を習慣にしている。 (趣味にしている、って書きかけたけれど、本人いわく趣味は勉強の合間に星を見ることらしい。)
勉強しているシーンの雰囲気が良い。このシーンの曲を流すと、勉強気分にスッと入れるから助かるよー。一方で、ガラスパンさんも仕事大好きな人で、仕事をするモチベーションもくれる。
ゲームシステムは、
- “話題” を集める
- 対応するキャラクターに対して “話題” を使うと、話を聞けたり、ストーリー進行のフラグが立ったりする
……というもので、大変シンプルでよろしい。
SCE と共通するところがある
これは “緑さんフリーゲームセレクションベスト3” の “スカイハイ・クロノス・エンドレス” (SCE) に通じるところがある。
これも、脱出要素があって、素朴なグラフィックで、ミステリー要素があり、音楽が好みで、ゲームシステムがシンプルな作品だ。ほぼ “ファミレス” と同じだな……。 “ファミレス” が好みだった人には、 “SCE” もオススメするよ。
“ファミレス” と “SCE” の共通点について思いを馳せていたら、思いついたことがある。
どちらの作品も、ぼくはその世界観にしっとりと浸れて気持ちよくなれた。多分だけどさ、ゲームシステムがごちゃごちゃ詰まっているゲームって、 “ゲームを楽しむ” というよりも、 “ゲームをやる” になってしまうんだよな。その世界に浸るよりも、そのゲームのシステムを理解して、用意された問題を効率的に解くモードになってしまう。
そんなとき、 ”ぼく” はゲームの中ではなくてゲームの外に居るんだよな。ルービック・キューブを解いているような感じ。ぼくは (たとえるなら) ルービック・キューブの中に入りたいのに、外側でそれを解いているような感じになっちゃう。そうなると、ゲームはただの問題装置になっちゃう。シンプルなゲームシステムであるほど、自分とゲーム世界の境界が薄くなって、その世界観に入り込みやすくなるのだと思う。
したがって、 “素敵な世界観に入り込みたい” ぼくの望みと、 “シンプルなゲームシステム” の相性が良いのだと思ったよ。
先日の英語勉強の記事で、こんなこと書いたよね↓
ゲームをプレイしている最中にぼくらが感じているのは、おおよそは、どう効率的に課題をぶちのめすかってことだけだよ
(2024-08-24)英検準一級への道 2024-08 と素晴らしい瞬間100の話 より
ここで “効率的に課題をぶちのめす” と表現しているのが、今回 “ゲームの外側でゲームを解く感じ” と表現したことだな。そうではないゲームもあることを、今回の所感を書きながら察したよ。
やや面倒なトロフィーもある
“おしゃべり” トロフィーのことだね。
- すべての “話題” を集める
- すべての “話題” を使って全員から話を聞く
……というトロフィーだ。ストーリー分岐があることと、セーブデータが1つだけ、という仕様により、やや面倒になっている。ストーリー分岐を全部把握しつつ、セーブするタイミングを考える必要があるぜ。
こちらの記事↓を参考にさせてもらった。
その他所感
- Steam 版についてくる、クリア後の “イラストギャラリー” の雰囲気も良い。何度も読み返しちゃう。
- ラーゼたちは “月のウサギ” 派ではなく “月のカニ” 派らしいので、南ヨーロッパの人だ。イラストギャラリーで食事をしているシーンがあるけれど、なんかそのへんっぽい食事をとっている。
- イラストギャラリーのガラスパンさん項目の一節、 “思想を受け入れ一体化することで、絶望を克服すると同時に大事な友を失います” が文学的で素敵スギ。似ている、というわけではないけれど、村上春樹のお話にありがちな、 “文章の上で概念的に生まれることが現実とリンクする” 感じが好き。
- どうでもいいのだけど、 WEB 版をプレイしていたら、 “緑さんフリーゲームセレクション” に名を連ねたハズだけれど、今回は Steam でプレイしたので入らない。
- 最近は個人制作のゲームが Steam や Switch へ移植されることがよくあるよね。 “SCE” も、時代が違えば Steam 移植されることがあったのかもしれないな。
- ちなみに他の "フリーゲーム緑さんセレクション" たちはこちら↓だよ。
- (2013-07-01)フリーゲーム「Ruina」ふたたび
- (2015-06-10)フリーゲーム「停滞少女」再プレイ
- (2017-01-14)フリーゲーム『四人の王国』
- 魔王物語物語 (記事を書く習慣が生まれる前にプレイしたので記事がない)