概要
こないだ日商簿記三級を獲った。

ぼくが簿記を始めたのは、15世紀の算法教師、パチョーリさんの著作『算術、幾何、比例論大全 - スンマ』に影響を受けたからだ。この読書↓で出会った。
パチョーリさんリスペクトで『スンマ』の名を借りつつ、日商簿記三級の学習メモを残しておく。
イベントごとに処理を加える帳簿と、それぞれやること
個人的には、簿記三級で大切なのは、期中から決算までの大きなイベントを把握すること、そして各仕訳がどのイベントに属するのか押さえることだ。
期中
- 取引
- 仕訳帳 or 帳簿: ふつーに仕訳
- 総勘定元帳: ふつーに転記
- 必要なら補助簿
決算日
- 試算表作成
- 合計試算表: 総勘定元帳をざっと合計
- 決算整理前残高試算表 (前T/B): 合計試算表の左右の差額を出す
- 決算整理
- 仕訳帳: 金額を正しくする仕訳
- 総勘定元帳: ふつーに転記
- 決算整理後残高試算表 (後T/B): 前T/B + 決算整理仕訳
- 帳簿の締め切り
- 仕訳帳: P/L項目の期末残高を損益勘定に振替する -> 繰越利益剰余金に振替する
- 総勘定元帳: 転記する B/S項目は次期繰越 これでP/LもB/Sも左右合計一致 二重線入れる
- 財務諸表作成
- P/L: ふつーに作る
- B/S: ふつーに作る
大問ごとの WHY (ぼくが間違えるとき、なぜ間違うのか)
“WHY 探し” はぼくが試験とかフロムソフトウェアのボス戦に挑むときによくやる戦略だ。問題をミスったときや、ボスに負けたとき、 “なんかミスったわ” だと次もミスるので、 “なんでミスったのか” を明らかにして、 “次はこうする” を決める。
簿記三級の WHY メモを残しておく。
大問1
- 単価は間違えないけど幾つ買ったかを見逃す → 見逃すな。
- クレジット売掛金をクレジットの手数料と間違えてる → 間違えんな。
- 未収入金の特性を忘れてた → 本業以外の、入ってくるお金だ。
- 当社振出小切手の特性を忘れてた → 受け取ると現金ではなく当座が増える。
- 郵便為替証書のこと忘れてた → 郵便局版の小切手。
- 小口現金のこと忘れてた → 資産勘定で、旅費交通費とか消耗品費とか通信費とか雑費と相殺になる。
- 登記料のこと忘れてた → 土地買うときにかかるお金で、普通に土地勘定に入る。
- 未払社会保険料を払うとき、会社も同時に払うという発想がなかった → いつも世話になってるだろ。
- 保険料という言葉の解像度が粗い → 社会保険料だったら法定福利費で、火災保険とかなら保険料だ。
- 再振替の理解がぬるい → 再振替すると、未払、未収、前払、前受は消滅するんだよ。そしてマイナスの支払、受取が残る。
- 税抜方式の理解がぬるい → そこに書いてあるのが税込金額なのか税抜金額なのか地に足をつけて見ろ。
- “内金を充当” の日本語の意味がわかってない → 前受金を使えってこと。
- 発送が後払いのとき、仕訳に発送を入れ損ねる → 商品が移動してるんだから発送も発生してるだろ。
大問2
- 経過勘定の理解がぬるい → 今はおおよそ分かっていると思う。
- “X を計上する” の日本語の意味がわかってない → X に該当するものがまだ経過勘定に混ざってるから、使用済みと未使用に分けてねってこと。
- 売掛金を見た瞬間に商品が移動したと思い込んでる → 売掛金が消えて現金が増えてる場合もある。
- “締め切りなさい” の日本語の意味がわかってない → 決算振替と決算繰越をやれってこと。
- “勘定口座” を忘れてる → 総勘定元帳の中にある、勘定ひとつひとつのT字表のこと。
大問3
- 前T/Bの経過勘定には、前期、当期、翌期の金額が混ざっている場合があることに気付かない → 気づけ。
- 解くのが遅い → 前T/Bはメモをしない。仕訳をメモして、前T/Bとの合計値もメモして、後T/Bを埋める。
- 画面上の前T/B、紙面のメモ、画面上の解答欄で分かれているせいで数字のピックアップをミスる → 紙面で前T/Bとの足し算までしちゃうのがいいか。
- 決算整理で売掛金が前T/Bから変わっているのに、計算を前T/Bの値でしてしまう → マジどうしようもない。整理で売掛金が変わったとき脳内 warning を鳴らすしかない。 (ちなみにこれは試験本番で出た。ちゃんと warning が鳴ったので良かった。)
- 精算表の項目を書く位置を覚えてない → 上の方がB/S、真ん中にP/L、下の方にB/Sの経過勘定、一番下に当期純利益。
- 当期純利益を書く位置を覚えてない → P/LとB/Sの列にそれぞれ書く。
- 返品が発生したとき売上仕入が販売額で動くのは分かってるが、期末在庫が原価で動くことが漏れてる
所感
勉強の最中に、 “棚卸って『期末在庫』を作るためにあるのか!” みたいに感動する瞬間があった。現実と教科書がつながる瞬間って、いいよね。
今回は初めての簿記だったので、勉強の感覚が分かんなくて、手探りで進めてみた。とりあえず、 PDF と動画で勉強を始めた都合上、勉強ノートは全部クロッキー帳に書いて、構造理解とか WHY まとめを PC 上でノートしていた。
以下、振り返り。
- クロッキー帳に全部書いていくスタイルだと、版が分かれる恐れが出てきた → 次は参考書を買って、そこにいろいろ書いていこう。
- 今やってるのがどのフェーズに属する作業なのか把握が遅かった (締め切りとか振替のこと) → 次は、今やってるのがどのフェーズなのかを意識しよう。
- 動画中心の勉強スタイルは時間がめちゃくちゃかかった → だけど参考書を自分で読み進めるスタイルとどっちが効率良いのかは未検証。
- PC より紙面で勉強するのが好きなんだけれど、今回はイベントごとの処理とか WHY を PC 上にメモしたり、修正したりするのが非常にやりやすかった。
投稿時所感
……と、以上の所感は簿記三級を獲った直後に書いたんだけれど、なんかタイミングを逃して投稿していなかったのだよな。獲得から3ヶ月経過して、見返して思ったことは……簿記って用語ゲーだ。上の整理を書いていたときは、用語と事物のイメージが紐づいているので、用語同士の繋がりにフォーカスしてノートしている。しかしいま読み返すと、用語の記憶がふわふわしているので、意味わからんな。