概要
- 知人: こないだ “インテーステラー” 初めて観ましてね。遅っ、て感じですけど
- 緑さん: ああ、5次元世界に行っちゃう話。難しいけど面白いっすよね
- 知人: クリストファー・ノーラン監督が好きなんですよね。 “テネット” は2回観ました
- 緑さん: え、あれ監督同じなんだ。逆再生の話でしょ。難しいけど面白いっすよね
- 知人: そーですよ同じ。 “インセプション” とかも。観てない?
- 緑さん: そりゃ観てますよ。コインが立つやつでしょ?
- 知人: めっちゃ覚えてておもろ。他には “メメント” とか
- 緑さん: 難しいけど面白いやつじゃねーか! え? 映画好きなんですか?
- 知人: いやあんまり観ないんですけどクリストファー・ノーランだけ観るかも。今度 “オッペンハイマー” 観たい
- 緑さん: あれ? それ誰だっけ。ダイナマイト作った人じゃなくて……
- 知人: 原爆よ
- 緑さん: あーそうか。へー、いっすね
- 知人: そうなの。重いテーマだから食指が動きづらいけど、好きな監督が作ってくれているなら観やすいかなーって
- 緑さん: あー、いいなそれ。ぼくも “オッペンハイマー” 観たくなってきたし、 “インターステラー” 観返したい
で、観たので10年前との感じ方の違いとかを書く。
10年前と比較した感想
10年前↓
(10年前感想) 最初は地球に何が起きてるのかよく分からんかった。もうちょっと「滅びに向かってる」感が出てても良かったんじゃないかなー
今回の視聴では、 “滅びに向かっている” ことを感じ取ることができた。 “現在” 食いつないではいるものの、将来は暗い。みんなそれを認識しつつも、目を逸らして生きている、という感じ。ブランド教授の台詞、 “将来、植物が全滅して、我々は酸素不足で窒息する” というのも、じわっと想像できて、絶望感があった。
当時、 “滅びに向かっている” ことを感じ取れなかったのは、現実世界の経験不足ゆえか? 主人公のクーパーが、 “子供に、世界が終わるなんて言うことはできない。子供には希望を持っていてほしい” と語っているよな。当時、 “滅びに向かっている” ことを感じ取れなかった、 (今よりは) 子供だった自分のことを、その台詞で想起したよ。劇中、クーパーが子どもの前で “大丈夫大丈夫!” っていう態度を取っているから、当時のぼくも “大丈夫やん?” って思ったのかも。
(10年前感想) NASAの面々がクーパーのことを「パイロットはきみしかいない」と持て囃していて、「いやこの展開強引すぎるだろ」と初見では思ったんだけど、あれって高次元の連中が「本や模様」でメッセージを伝えてきたのがクーパーだから、「クーパーは選ばれた」って意味だったのな。
“クーパーは選ばれた” 感は確かにおおいにあった。もともと5次元の何者かのアプローチによって開始したプロジェクトにおいて、その何者かのアプローチを個人的に受けた者がいたら、それは重要視されるだろう。ただし、10年のブランクがあるクーパーについて “パイロットはきみしかいない” となるのはやっぱりちょっとよく分からなかったかな。
今回、思った所感↓
- 今回の視聴では、 “選ばれたのは俺じゃない、マーフだ” のところで、当時よりもじんわりと良さを感じた。これは、年を重ねたせいじゃないかなと思う。劇中の最初のほうで、クーパーは、学校の教師に “我々は橋渡し役だ” と言われて憤慨する。一方で、最終的には、自分自身はマーフへの橋渡し役であり、マーフだって、未来の人類への橋渡し役であり、未来で5次元存在へ進化した人類によって、自分はここにいる、と悟る。だから……クーパーの最初の憤慨は、 “橋渡し役” という概念のせいではなく、天職とは違う仕事をしていることへのフラストレーションによるものだったのだと思う。
- 息子のトムくんめっちゃいい子やん。なんでぼくはこの子のことをあんまり覚えていないんだ? と思ったんだけれども、大人になって発狂し、魅力を失ってしまうからか。
アメリア・ブランドによる “エドマンズの星を優先する” 案が、他のふたり (クーパーとロミリー) によって棄却された件について。
- 本来、エドマンズの星とマンの星の優先度は同程度だったはずだ。エドマンズの星は、ブラックホールの影響を受けておらず生物存在の可能性があり、マンの星は、マン博士自体が優秀でありかつ現在も信号が来ている。可能性は同程度だ。だからこそ、ロミリーは “多数決を取ろう” と提案したのだ。
- しかし、クーパーはブランドが、恋仲であったエドマンズを選びたいだけだと思った。
- ブランドのほうも、それを指摘されたあと、既存の論理を主張することをやめて、 “愛の力” だけを根拠にエドマンズの星を推す。指摘の前後でのブランドはまるで別人だ。一貫性のない人間は信用に値しないものだ。男性陣はそれにドン引きする。
- 波乱の多数決ではあったものの、 “論理、感情を含めた” “手持ちの情報をすべて開示し” “そのうえで多数決を採る” という、わりと理想的な多数決だったと思う。
- なのでその後にブランドがクーパーへ嫌味を言うのは余計。