概要
……と、いうわけで読んだ。サクサク読めるミステリーシリーズなので4冊ぶんいっぺんに感想を書く。『人形はこたつで推理する』『人形は遠足で推理する』『人形は眠れない』『人形はライブハウスで推理する』。
サマリ
妹尾睦月(せのお むつき)さんは「めぐみ幼稚園」で働いている。そこへ、園長の親類である腹話術師・朝永義夫さんが劇を見せにやってくる。そのとき、幼稚園でちょっとした事件が起こって、朝永さんの人形・鞠小路鞠夫が華麗な推理で事件を解決してみせる。そう、朝永さんは二重人格みたいな感じで、鞠夫は朝永さんの第二人格であり、人形を媒介として勝手に喋りだす奴だったのだ。
朝永さんはハンサムで、幼稚園の保母さんたちはちょっと夢中になるのだが、妹尾さんははじめはそんなに興味ない。でもおうちが近いのもあって、なんだかんだ喋ったり、いくつかの事件を通して、ふたり……妹尾さんと朝永さん……は恋仲になる。だけど今日もまた、ふたりがよい雰囲気になるたびに、事件がふたりのジャマをしてしまう……。なにせふたりを取り巻く事件は色鮮やかなものだ。
- ふたりの知り合いが冤罪をかけられる
- ふたりの知り合いが死ぬ
- 幼稚園のバスジャック
- 知り合いの刑事さんが相談してくる
などなど。
所感
「人形が緑に少し似てる」とのことだったけど、そこはよくわからんかった!
語り部の妹尾さんが俗物なので、あまり印象にのこる読書にはならなかっ……う、ううーん! ぴあのの野郎のお気に入りだから評価しづらいな! ……まあぼくの好みの語り部ではなかった。
ただしミステリー部分はサクサクと読めて楽しめたぜ。ワトソン役の妹尾さん、朝永さんがわちゃわちゃと仮説を並べ立て、そのあとで鞠夫くんが正しい推理で事件を一刀両断する。「なるほどーそういうことだったのか!!」を短時間で繰り返し味わえる短編集。ぼくがミステリーに求めているものがきっちりと収められている作品だったな。
あと、この読書で初めて知った言葉があった。「木戸銭」。見物料のことだ。