新世界樹の迷宮 ミレニアムの少女。9。

あらすじ。
謎の樹海を有する辺境の街エトリア。そこへやってきた遥香・光・典子の三人組。樹海を探索する一行は樹海の住人モリビトと遭遇し、かれらの主張する「ヒトとモリビト相互不干渉の協定」の実在性がはっきりするまで探索を休止することとなった。が、典子はエトリア長ヴィズルの意向にしたがい、協定の存在も何のその、仲間の和田・ハインリヒと共にモリビトを殲滅してのける。さぞかし長もゴキゲンだろうと街に戻った一行を待っていたのは、「長が樹海の深層に向かった」との報であった。







「何だこれは…街、か? 明らかに人の手による建造物だが。」
「街の下に樹海があったと思ったら、さらに下にも
 街がありましたってどんなサンドイッチだっつーの。
 どう思うよ、典子ちゃん?」
「う~。さっぱり分からないけど、でもここが未知の階層で、
 ものすごく価値のあるものだってことは分かるよ。」
「かかか。こりゃにわかにヴィズルが胡散臭くなってきたぜ?
 あたしらがモリビトを掃討した途端、この階層に潜ったってんだからよ。」
「ヴィズルの本当の目的はエトリアの樹海利益ではなく、
 モリビトが塞いでいた第四回層の先にある、この階層だと?」
「へっ、さてな。だが何か企んでることは違いねーぜ。
 とっとと見つけ出してきっちり締めあげて問いたださねーとな。」
「おいおい、ちょっと過激じゃないか?
 相手はエトリアの長だぞ。」
「いやいや、疑わしきは拷問にかけよと言うしな。」
「どんな血に飢えた為政者が遺した言葉だ。」
「…う? ねえ二人とも、見て。」
「了解してやってもいいぜ。」
「和田ちゃんが了解することを了解してあげるよ。感謝してね。」
「感謝してやってもいいことを了解したぜ。」
「なに面倒な会話してるんだ。何を見ろって?」
「あっちに誰か…あ! レンさんとツスクルさんだ。
 浅い階層ではうち達をよく助けてくれたんだよ!」
「へえ、エトリアエースの二人組じゃねーか。長ヴィズルの捜索か?」
「…いや待て、雰囲気がおかしい。
 こちらに向けられているのは…殺気じゃないか?」




「え!!」
「へっ、そういうことかよ。
 この謎に満ちた樹海はエトリアにとっちゃ最高の客寄せパンダだ。
 その謎を解き明かされたら、その価値はなくなる…。」
「だからその恐れがある俺達をここで始末しようって腹か。」
「樹海の領有権を主張するモリビトをあたしらに殲滅させ、
 その上で樹海を踏破しそうなあたしらを潰す。
 エトリアの樹海利益はパーフェクトな形で守られるってわけだ。」
「このぶんでは、長の失踪も俺達を人目のないこの場所まで
 おびき寄せるブラフかもしれないな。」
「チッ、何てこった。
 あたしらは長の手のひらの上で踊る
 プリティーなお人形に過ぎなかったってことかよ!」
「うち達がキュートにダンスする愛され系
 マスコットキャラクターに過ぎなかったなんて!」
「楽しそうだな君達。」




「まあでもよ、そういう打算づくめの考え方って、
 典子ちゃん的にはツボなんじゃねえの?」
「そうだね。特に思うところはないかな~。
 だからっておとなしく樹海の深層に散るかと言えば、
 そんなことはないけどね!」
「冷たいかと思えば熱いな、典子は。さて作戦だ。」

VSレン・ツスクル戦術
バード
1沈静なる奇想曲、1猛き戦いの舞曲
/10癒しの子守唄、10禁忌の輪舞曲
カースメーカー
10力祓いの呪言、10軟身の呪言
/10アナコンダ、10重苦の呪言、10パリング
レンジャー10サジタリウスの矢/10パリング
備考: パリング役の片方が化石の首飾り(腕封じ耐性)、残りがアダマース(物理耐性)

「今回はある程度攻撃を受けつつも、
 致命的な攻撃はパリングする形をとるぜ。」
「守りはうちの<癒しの>と<沈静なる>、
 和田ちゃんの<力祓いの>だね。」
「レンは即死技を持っているから毎ターンのパリングは欠かせないが、
 他の攻撃は補助をかけて受けきる態勢だ。」
「この作戦ならレンさんは怖くないけど、
 ツスクルさんの<ペイントレード>がどうしようもないね。」
「これだきゃ完璧な封じ手が頭封じしかねーかんなあ。
 あたしがSPを回して頭封じをとってもよかったんだが…。」
「ツスクルのHPが半分を切ったあたりで集中攻撃したら、
 まあ、幸運にも何とかなったな。」
「和田ちゃんもハインツくんもパリングできるから、
 一人がやられてもすぐ立て直せるからね。」




「やったな典子ちゃん、これでエトリアエースの称号は
 あたしらのモンだぜ。」
「でもはるちゃんと光くんのグリモアの力でもあるからね~。」
「ま、確かにそーさな。
 …そろそろ遥香ちゃん達に打ち明けてもいいんじゃねーの?」
「『こっそりモリビト殲滅して、エトリアのエースも倒しちゃったよ☆』
 なんて言い出しづらいなあ。」
「何だよそのエクストリームなキャラ。
 ま、とりあえず執政院にでも隠れているであろう
 ヴィズルを引きずり出してだな…。」
「待て、和田。」




「彼女らの話によると、長はやはりこの階層にいるらしいぞ。」
「あん? ホラ吹いているんじゃねえの?
 どうだ、典子ちゃん?」
「ウソ…ついてないと思うよ。」
「ふん…。失踪はあたしらをおびき出すための狂言じゃなかった…?
 本当に長の目的はこの階層にあったのか?」
「まあ考えてみれば、おびき出すまでもなく、
 俺達はこの階層へとやってきただろうしな。」
「とにかく、あたしらを利用してハメて、さらに何か
 企んでやがるんだ。絶対見つけ出して…」
「拷問にかけるんだよね?」
「あ、いや、典子ちゃん、アレは冗談だよ…。」


<沈静なる奇想曲>でレンの構えを解除すると共に<パリング>で物理攻撃無効化してたら、なんだかおざなりな戦術でも何とかなってしまった。


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