概要

神ゲーじゃねーか!

ネタバレサマリと所感を書く。

サマリ

  • 月の鉱石ルナムを精製することで、ルナフィラメントという夢の素材が開発された。3Dプリントのハイエンドみたいな素材で、これを使うとなんでも作れちゃうのだ。
  • ニール・ヒギンズ博士がルナフィラメントで人工臓器を作る研究をスタートする。月で。……なんで月で? なぜなら、地球ではそんな研究は許可されないからだ。
  • 博士の目標は、人工臓器を作って自分の娘を助けることだ。そのために、娘に似せた高性能プラグマタを2体作った。2体は仲良しで、セブン、エイトと呼び合う仲だ。
  • 研究は着々と進んだが、ルナフィラメントと有機物の相性が悪いみたいで、最後の一押しがイマイチだ。まだ人体へ適用できるレベルではない。
  • 一方地球では、勝手な薬剤投与により、博士の娘が亡くなってしまう。博士は絶望の中、月で亡くなってしまう。
  • 研究の中でルナフィラメントと人体が融合することで発生したデッドフィラメントが、博士の感情をエイトへ伝えた。
  • エイトはその感情をどう解釈したのか、有機物を変性させ無限に増殖するデッドフィラメントを地球へ送り込もうと試みる。
  • そんな折、月施設の調査のためにやってきたシステムエンジニア、ヒューとセブンは出会い、エイトを止めるために奮闘する。
  • 戦いの中、ヒューはデッドフィラメントに冒され月へ残るが、セブンは夢だった地球へ旅立つ。

所感

まあまあともかく、ぼくが “神ゲーじゃねーか!” とひっくり返ったポイントについて語らせてもらおう。

  • メインストーリーをクリアしたあと、哀しみと、感動と、余韻を味わう中、 “Unknown signal” ストーリーが開放される。クリア直前のセーブ状態で、いくつかの課題と、強化ボスが開放されるモードだ。 “あー、エリアボスの強化版は出るものの、エイトの強化版は無いのねー” とか思いながら、 “Unknown signal” を進めるわけじゃん? 全部の課題を終えると、クリア記念の装備とか、 “ブラックボックス” が手に入る。 “ブラックボックス” っていうのは、謎アイテムで、 “生体内のデッドフィラメントをなんとかできるかもしれないアイテム” とのアイテム説明がある。え?! もしかしてエンディング分岐アイテム??!! これを装備し、改めてエイトのところへ行くと、強化版エイトと戦うことができる。クリアすると、まあ、大してエンディングは変化しないのだけど、ちょっとだけヒューの生存に希望が持てる内容となる。

いや、何に感動したのかっていうと、主に2点。

  • メインストーリーのエンディングは、ちょっと哀しい。まだもうちょっとふたりの冒険を見たい気持ちがあるが、 “強くてニューゲーム” を選んで、ストーリーをやり直すのは余韻ぶち壊しだ。そこで “Unknown signal” が開放され、 “さらなる冒険 + if” へ進むことができる。これは余韻を壊さず、ゲームを続けて楽しむことができる粋なはからいだ。
  • “Unknown signal” ストーリーの報酬部屋に入ったとき、不意にふたりが “よーしエイトに挑むぞ” みたいなことを喋る。プレイヤーは、 “ああ、そーか、いまはクリア前で、これからラスボスに挑むっていう段階のセーブデータなのね” くらいに感じるはずだ。だけど直後に “ブラックボックス” が手に入ることで、 “ああ!! これ装備して、もう一回ラスボス倒して真エンディングを見に行けってことね?!” と、真エンディングへの導線に自然に気がつくことができる。

この導線設計の巧みさに感銘を受けたってわけ。プレイヤーのプレイ体験を大切にしてくれている感じがした。ムービーを用意するのではなく、フィールド会話でそれがなされるのが、マジで巧みだと思った。押し付けがましくなく、自然。

本作は、ふたりのフィールド会話がホントに巧みだ。ぼくが購入を決めたきっかけもフィールド会話だった。

  • 体験版ではディアナのこんなフィールド発言がある。 “ムリだよヒュー! だってこれ、体験版だもん!” 最高。購入。このゲームの開発チームは、プレイヤーを楽しませようという気持ちがあると感じた。
  • ゲームオーバー後にもう一度フィールドへ出ると、ふたりがフィールド会話で、やられた相手への対策を喋る。そんなゲームこれまでにあった?! こういうのは、プログラムされたゲームっぽさを減らし、ドラマっぽさ、キャラクターのリアルさを強化すると思う。最高。
  • エイトには何度もやられてしまったのだけど、毎回会話が違って、それもリアルさを補強する。
  • あと、エイトの “また懲りずに来たのね” ディアナ “エイトを止めるまで来るよ!” には笑った。確かにエイトを倒せるまで通うんだけど、デッドフィラメントが輸送船に積まれるまでの時間との戦い、という状況下なのに、のんびり通っているのはちょっとシュールで面白い。さっきから、プログラムっぽさの低さと、リアルさの高さを評価しておいてなんだけど、こういうとこはゲームっぽさとプレイ体験のバランスが良くて、すごい好き。

その他所感。

  • 上述のサマリは、流れをシンプルに追うことを重視するあまり、 “ディアナ” の名前すら出てこなかったが……、完成度の高いシナリオだと思った。満足。
  • 前情報で、あらかじめ、本作のボリュームが小さめであることを知っていた。いいことだよな。小さなボリュームで高いクオリティ。作品としてのまとまりが良いというのは、完成度が高いということだ。

  • 実績は未コンプだ。 Lunatic を遊ぶ時間とモチベーションは、今は無いな……。実績のデザインについては、 SEKIRO がベストだった。 SEKIRO のトロコンはプレイヤーに作業ゲーを要求しない。 SEKIRO を楽しんでいれば、自然と全部のエンドを観たくなる。そのとおりに遊んでいるうちに、最終エンド達成と同時にトロコンができた。理想のトロコン体験。 PRAGMATA についても、 Lunatic クリアで実績以外の何かが報酬に設定されてさえいればな。

  • プレイヤーとしてディアナを可愛がるわけなんだけど、やっぱり、可愛がっているのはディアナが可愛くデザインされているからなのでは? ってのは思っちゃうよな。ディアナの外装が可愛くなくてもこんなふうに好きになれるのだろうか? そんな気持ちに答えるかのように、シャドウ・エグゼキューターが開放される。これは可愛いスキンを剥ぎ取った、生身もアンドロイドみたいなメカメカしい見た目のアウトフィットだ。 “ディアナの外装が可愛くなくても好きになれるのだろうか、と言ったな? 試してみろ” と言われた気がした。とにかくこの開発チームにはプレイヤーへのサービス精神がある。

すごく良かった。何度、良かったって言うんだろうな?