俺が一番好きな本はHermann HesseのDemianだが、一番好きな作家はというと村上春樹だ。
かれの魅力はそのクッソ平易な文章だろう。俺は「清潔感のある文章」とよく言っている。座右の銘が「知行合一」と「明窓浄机」である俺にはぴったりだ。暴力的だったり性的だったりする描写もあるが、その文章のおかげでいやな感じがまったくしない。すげえ。ストーリーに関しては easy to read, hard to understand って感じだが、それってヒトによって幅広い解釈を楽しめるってことだろう。
かれの文章は非常に平易だ。俺は、物事をヒトに伝えるとき一番大切なのは伝わりやすさだと思っている。正しさは二番目。内容的にはちょっとテキトーこいてても、すらすらと頭に入ることが寛容だ。いやマジでちょっとくらいテキトーなこと書いてても構わんよ。

「でも日本を離れようと思ったのには、その他にもいくつかの理由があった。いくつかのポジティブな理由があり、いくつかのネガティブな理由があった。いくつかのプラクティカルな理由があり、いくつかのメタフォリカルな理由があった。(『遠い太鼓』より引用)」

なんだよメタフォリカルな理由って! これプラクティカルで文章を終わらしたら収まりが悪いからってテキトーに足しただろ! でもこういう言葉選びがフレキシブルな文章はやっぱり好み。
以前100ページくらいの小説を書いたりしたが、そのときはやはりかれの文章を参考にした。



俺は古典をあまり読まないが、やっぱりそれは読みづらいからだ。古典作品は50年単位くらいで読みやすい現代語に同一語翻訳されるべきだと俺は思っている。思想に同調できる精神性をもっているのに、読みづらいからって古典に手を出さない人間、絶対たくさんいるって。勿体無いって。






なんでいきなり村上春樹かって、知り合いが日本語の村上春樹本を持っててそれを借りたから。翻訳本はルーマニアにもあるし俺も一冊持っているが、俺は「かれの文章」が好きなんで翻訳版には興味がない(翻訳本は知り合いがくれた)。


●(追記)

大事なことを書くのを忘れてた。この通り俺は村上作品マンセーなヒトだが、かれの顔は好きじゃない。なんか性格合わなさそう。