概要

今回の野宿旅は、ほぼ一ヶ月おこなった。

走行距離: 3618km
ガソリン: 48.5L
ガソリン代: 7250円

食費: 7952円
佐渡ヶ島往復代: おおよそ12000円

 

ぼくの野宿旅

昔は、もっとずっと長いこと野宿旅をした。そのころのことはホームレス旅と呼んでる。以前旅をしたのは、そうするしかないと思っていたからだ。当時ぼくは深く傷つき、社会のなかに居場所を見出さなかった。だからホームレス旅をするのはしごく当然のことだった。洪水で巣が沈んだとき、蟻が引っ越しをするのと同じように。

周囲の人々は口をそろえて言う。「よい経験をしたね」「若いうちは何でもできるね」。くそくらえである。ぼくは生きていただけだ。いたって自然に。それをさせたのはきみたちだ。巣に水を流し込んだのはきみたちだった。

ただし「若いうちは」というのは確かに気になった。年の影響は確かに、物理的に存在するはずだ。胸をはってくそくらえと言うためには、今のぼくにそれができることを確認せねばなるまい。今回ふたたび旅をしたのは、今のぼくにも旅ができるのか確認するためだ。

野宿旅をするうちに、「できる」と確信した。むしろ昔より今のほうが知識があり、ラクに野宿旅ができた。だが同時に、今のぼくは昔ほど旅を求めているわけではないことにも気がついた。ようは、社会の中にあるていど居場所を見出しているということだ。友達がいて、親愛なるルームメイトがいる。それを受け入れる心の余裕がある。今のぼくには、旅をする充分な理由がない。ぼくを駆り立てるものはもうない。

それっぽっちのことを知るために、一ヶ月もかけた。

 

道中に会った人

ところで今回、会いたかった人々をいくらか訪ねた。てつさんとか、ぴあのとか、ひよさんとか。

てつさんの逆立ちを生で拝見。半農半Xの畑も案内してもらえた。

ぴあのはネットとリアルで性格が変わらない奴だった。(しってた)

ひよさんは昔と変わらなかった。ああ、彼らと食事するのに使ったお金は冒頭のアレには計上してない。

 

そんな感じ

雨が好きだ。雨中の野宿はそれなりに大変だ。

だけれど、その夜をこえ、朝目覚めたとき、自分の能力が実感できる。大なり小なり、野宿は大変だ。そのぶん、夜をひとつこえるたびに、自分のなかに何かが溜まる。経験値とか自信とか、そういう重さをもった何かが溜まっていく。肉体と精神が強くなり、独立した個体になっていく。ぼくの野宿旅の素敵なところはきっとそういうところだ。

 

今回の野宿旅記事一覧