次なに読もーかなー、あっコレは薄くてすぐ読めそうだぞ、これにしよう。と選んで読んだ。『異邦人』のときと同じノリだけど、あのときと違って今回共感はゼロだった。サマリと感想を書く。



この手記はまず、手記著者の嗜好や思想にかんする独白で始まる。始まったはいいものの終わらない。長い。なげーよ。ともかくこの人はプライドが高く、社会的な成功に価値を見出しておらず、そうしたものにとらわれている他者たちをつねに見下している。見下してはいるのだが、そのみんなからも見下され負け続けているので卑屈でもある…ということがわかる。
そこらへんまで書き終えると、どうも手記著者は昔の出来事を思い出したようでその話に移る。それは現在40歳のかれがピチピチの24歳のころの話だ。その頃からかれは上述のようなミジンコ男だったのだけれど、気分の波のせいか、ふいに人付き合いがしたくなるときがあるのだ。そういうわけで知人の家にいってみると、そこには知人数人が集まって誰かさんの送別会の相談をしていた。著者はもちろんのことその全員を見下していたし、知人たちもかれのことは嫌っていた。ホント何で来たのお前。相談は終わり明日が楽しみだねーと話していると著者が突然言い出す「おいおいなんで僕は頭数に入ってないんだい」と。かれはみんなの相談に無視されてたことが癪に障ったので、むかついてそう言い出したのである。何なのお前。翌日の送別会でもかれは騒ぎを起こす。そもそも送別される奴も昔から気に入らなかった奴だし(ホント何で来たのお前!)、自分のヘボな現状をみんなから根掘り葉掘りされてむかついて中傷しだし、なんかみんなからよく思われてないから、逆に最後まで居座ってやろうとかやりだす。二次会はお水のお店だったんだけど、そこで働く女の子に「こんなお店で働いて恥ずかしくないのかい」などと弱い者にはとっても強いミジンコ男の鑑である。ただその女の子も豪胆で、あとからかれの家を訪ねてきてくれる。しかし転んでもタダで転び続けるこの男、たまたま気分がむかついてるときだったんで数ページに渡って彼女を侮辱しまくり帰してしまうのだった。
かれいわく、この出来事は「後味の悪い」ものだったそうだ。



まったく同感だよ!!
いやあ、とにかく第一部の独白が長い。けれどもそれはまあ仕方ないかな。たぶんここでは思想と哲学について語りたいんだと思うから。思想というのは一個語って終わりというものではないからな。たくさんの「これに関する思想」「それに関する思想」があり、それらは他の人にとってはまったく関係ないモノ同士なんだけど、理解している本人にとってはきっちり関連しあっているのだ。「これに関する思想」を下敷きにして「それに関する思想」がなりたち、そしてさらに…というように。そうして巨大な思想の木ができて、ひとつの哲学を形成するんだよな。だから話は長くなりがちなのだ。本人にとっては繋がってる話でも、他人からしたら「話トビすぎだろ」ってことになる。「三行にまとめるか、最初にサマリをよこせ」ってことになる。
思想に関する記述を読むときは、そこのところを意識して、「話めっちゃトンでるように見えるが、前後の話の間には『以上の理論を下敷きにすると次のような理論も説明がつく、つまり…』という一節が入っているのだな」と思えば読み進めやすいと思う。だがそれは楽しく読める思想なら、の話であって俺はずっと「三行にまとめるか、最初にサマリをよこせ」って思ってた。

なんで楽しく読めないかっていうと、そりゃあやっぱり、その思想の実践者たる手記著者さんの知行合一がガバガバだからよな。社会的な成功に価値を見出していないと言うのに自分の社会的地位の低さに卑屈になっているところがまず矛盾してんじゃねーか。価値を見出してないんだったらそもそもこの手記において社会的地位に関する記述はゼロになるはずだろう。ずーっとシンタックス・エラーのあるプログラムを読んでる気分だったぜ。実行したら一行目で処理終了するっての。さっきの「これ、それに関する思想」の話でいえば、「これ」が明らかにおかしいのに「これ」を下敷きにして「それ」にいこうとするんじゃねーよ! ってことだ。

が。しかし。ドストエフスキーのまえがきによると、この主人公は「近頃めっちゃ多いタイプの人間を切り出してつきつめたもの」らしい。推測するに、ドストエフスキーさんの周りにはこういうワケワカメ星人がたくさんいて、連中をこきおろすためにこのお話を書いたのではあるまいかな。ちょっと趣味悪いと思うけど、そういうことなら目的がはっきりしてすっきりするぜ。



もちろん手記著者の言い分にまるっきり同意できる部分がなかったわけは全然なくって、たとえば以下のような部分はうんうんと頷ける。
  • いったいぼくは何のために、なんのつもりで書く気になどなったのか? 紙に書くと、何かこうぐっと荘重になってくるということもある。そうすると、説得力が増すようだし、自分に対してもよりぐっと批判的になれるし、うまい言葉も浮かんでくるというものだ。そのほかに、手記を書くことで、実際に気持ちがかるくなるということがある。(原文ママではない)
「自分に対してもよりぐっと批判的になれる」というところがとくに同意できる。アタマの中で考えてる限りでは完璧だと思っている理論も、文章にしてみるとなんか思うようにキマらなくて、「ぶっちゃけこの理論は穴だらけなんじゃねーか?」と気づくことがある。人前で話すときは身振り手振り口調で言いくるめることができちゃうから、言いくるめただけなのに、「この理論は完璧だ」と勘違いしちゃうことはよくある。そんなとき、ひとつ文章化してみるかとやってみるのは俺にとって大いに価値のあることだ。


  1. すまん、長い漢字ムズカシイネて事で着地しますた。

  2. 長い漢字ムズカシイのが『地下室の手記』のことなのか俺のくだくだとなげー感想文のことなのかつかみきれねえ…どっちもありえそうなだけに…。

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