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フリーゲーム「OFF」。HPはここ。
スタートすると、「とりまバッターっていう奴を操作してこの世界を浄化してね。よろぴく」と言われるので、とりまバッターっていう奴を操作して世界を浄化していくお話。
え? 何て? つーか具体的に何をすれば? って感じになるんだが、なんか無害そうな住人たちが亡霊や居丈高な支配者に虐げられているので、行き当たりばったりに連中をザクザクブシャーしていく。
仲間のウェルとプレイした。考察を書くのでネタバレ注意。
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物語の経緯は?
- 家庭をあんまり顧みない父、息子想いの母、病弱な息子という家族がいる。父はいちおう息子の病気を心配しているが、母に息子の世話を任せっきりだしちょっと横暴なので母子は父が好きじゃない。
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- 母子が、たとえ病気でも楽しく暮らせる世界を創る。これが本作の舞台で、ゲーム世界。3つのゾーンから出来ている。住人の誰もが勤勉で平和な世界である。おもにマネジメントをしているのは母なので結構忙しく息子に構えないことも多いのだが、かれにはゲーム内で創られた3人の友達がいたのでそんなに寂しくもない。その3人の友達は3つのゾーンをそれぞれ治めるガーディアンとなった。
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- 結構うまくいっていたゲーム世界だけれど、あるときシュガーという麻薬みたいなものが現れる。住人はこれに耽ることでジャンキーになってしまう。
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- その状況に怒った母とガーディアンたち。ガーディアンは圧政を敷き、母は亡霊を生み出して住人を襲わせる。亡霊を倒せるのはガーディアンだけなので、住人に畏敬をもたせる狙いがあった。
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- ゲーム世界がそんなふうにゴタっているところで、外の世界では父が激怒している。いや確かに息子の世話を任せはしたけど、仮想世界に引きこもっちゃダメだろ、というわけである。父はゲーム世界を叩き壊すことにする。
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- 父はゲーム世界に入り込み、バッターというキャラクターになる。なぜバッターというキャラクターになっちゃったかといえば、息子が読んでいる漫画にそういう感じの悪役が出てくるため。このことから母子にとって父は悪者であることがわかる。
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- さてゲームに入り込んだはいいものの、自分ではゲーム内の1キャラクターになった自分を動かせない。そこでプレイヤーにゲームを送りつけ、「このゲームはバッターくんを使って世界を浄化するゲームだよ」と騙くらかす。ここから本ゲームスタート。
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- つぎつぎとガーディアンを叩きのめし、クイーン(ゲーム内の母)のところへたどり着く。クイーンも叩きのめし、ゲーム内にいる息子をも叩き殺す。
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- そしてゲームの電源を OFF にして本ゲーム終了。
アドオンって何。
- PC が使える装備。ひとりのアバターじゃできないことが色々できるようになる拡張機能。バッターも使えるし、母も使えるし、息子のアドオンは3人のガーディアン。
シュガーって何。
- 創造主(母と息子)がなんかプログラムミスをしたか、あるいは現実のふたりに何か異常が発生したことによるバグ。息子は病気だし、母は世話で疲れてるだろうし、それ関係のメタファーだと思う。
ジャッジは何。
- ゾーンの監視がお仕事の NPC 。バッターのことを、亡霊を排除するために入ってきたキャラクターだと思っていろいろ助けてくれる。プレイヤーのことは、それを手伝っているのだと思っている。実際にはバッターが浄化ではなく破壊を目的にしていたことを知って「やってくれたなコラァ」と襲ってくる。妥当な怒りである。
ザッカリーは何。
- なんか、管理職っぽい仕事をしてる NPC 。プレイヤーのこともちゃんと認識している。この世界はそもそもゲームで遊ぶために創られたものではなく平和な世界を楽しむために創られたものなのでメタ発言を慎む理由はない。まあ世界に浸るために慎んでほしいこともあるかもだけど、それは他の住人たちの仕事。メタなキャラクターがいた方が母子も運営がし易いだろう。
隠しエンディング、アレは一体何。(困惑)
- いやその、このゲーム世界は形而上世界の一部分を占めており、その空間を欲しがっていた連中がアレなんじゃないかと。でバッターがその世界を破壊したおかげでその土地が空き、「ヤッター」って言ってる図がアレなんだと思う。
隠しエンディング用のアイテムは何。
- この世界で寛容な要素であるメタル・プラスチック・煙・肉・シュガーのエレメントだけど、たぶんアレを回収することで、ゲーム OFF 時に世界がまるまる消滅するんだと思う。回収しないと廃業した工場みたいにカラッポの世界が残存し、連中が移住してこれないんだろう。片付けはしっかりしましょう。
プレイの感想。
- 状態異常
- 相手に状態異常が入ったのかどうか(毒以外は)よくわからない。まあリアルでいいかもしれん。あとキアリー的アビリティがあるが、成功率が100%ではない。マジかよ。
- 破壊後のゾーン
- 雰囲気が変わり、敵がものっそ強くなるのが楽しい。アレ? 浄化ってしたらマズいんじゃねーの? でもバッターくん迷いなく進んでいくしなあ…ってのが楽しかった。
- UI
- UI がめちゃめちゃ見づらい。選択マークと背景色がほぼ同色なので今何を選んでるかがわからん。あと戦闘時の名前の並びが、実際の並びと逆向きなのが地味にプレイミスを誘う。
- クリア後
- これはちょっと希望的観測だけど、バッターがクイーンと相対するとき「俺たちは間違えた」と言っているし、ヒューゴを撲殺するとき「もう大丈夫だ」みたいなことを言っている。これってつまり、父がこれまでの行いを改めるってことじゃねーだろうか。そう考えると OFF 後に光が見えてくる。だといいな。
- 全体的に
- 雰囲気ゲーだいすき。途中で飽きるゲームとそうでないゲームの違いって、俺の場合やっぱり雰囲気とキャラクターなんだよなあ。難易度とか UI の良し悪しはあまり重視してない気がする。こういうメタファー山盛りな話は仲間と喋りつつ考察しつつ進むのが楽しい。