先回の感想文からまる三週間あいちまったが、それもこれもこの話がメチャ読みづらかったせいだ。サマリと感想を書く。



シンシナティなる街の124番地にはセサという元奴隷の黒人女性が住んでいるんだが、その家、赤ん坊の騒霊に憑りつかれていており日々すったもんだの大騒ぎで、街のみんなから距離をおかれていた。そこへ元奴隷の同僚であったポールDさんがやってきて、幽霊を気合で追い出し、セサとの生活を始めようとする。セサさんもその生活をあしからず思っており、順風満帆な生活になるかと思われた。
が、そこへやってきたのがビラヴドなる女の子だ。超不気味な子なのだがセサさんも、セサの娘であるデンヴァーも、なぜかビラヴドを溺愛してしまう。なんなんこの子……と訝しむポールDさんだったが、街の人からセサの過去を聞かされて得心がいく。彼女は昔みずからの赤ん坊の首を切って殺しており、もともと家に憑いていた例はその赤子の霊だったのだ。そしてその赤子の墓石にセサが刻んだ言葉がビラヴド。やってきた女の子ビラヴドは幽霊だったんである。セサが子を殺したのは、そのとき逃亡奴隷である彼女を追ってきた白人に、子が連れていかれ奴隷になるより、死んだほうがマシだとの判断であり、そのことをセサは罪と思っていなかった。
セサさんの子殺しに引いたポールDさんは124番地を出ていってしまう。そしてセサとデンヴァー、ビラヴドの荒廃した生活が続いていく。ビラヴドは不平を言い、セサはなんでも叶えてやる。ビラヴドはどんどん肥えていき、セサはやつれていった。デンヴァーはそんなふたりに仕えたが、やがてそれではいかんと街の人に助けを求めるようになる。街の人は「えー、あのセサの娘か…」という感じなんだけど、この子はちゃんと外に助けを求めることができるし、ありがとうも言えるし、というわけで助けてくれるようになる。デンヴァーちゃんは黒人にも優しめの白人さんに雇われることになり、白人さんは124番地までデンヴァーを迎えに来る。しかし白人がやってくるというイメージはセサに、かつてセサを追ってきた白人を想起させ、彼女は白人を殺しにかかる。だが昔のような悲劇は起こらなかった。デンヴァーが、そして街の人々がそれを止めたのである。そしてことが済むと、ビラヴドはいずこかへ雲散霧消してしまっていた。



みたいな話だったのだけどもうメッチャメチャ読みづらかった。不理解を人のせいにするのはよくないけれど、言葉の使い方おかしくね? って箇所がいくつもあった。がんばって辻褄あわせてみればみたで内容は沈鬱な話だし、くたびれる読書だったぜ。

ほんで主旨としては、奴隷制によって黒人たちに刻まれた傷の深さの表現かな多分。小さなころからずーっと奴隷で、レイプされ、鞭打たれた女性はこんな風になっちまうんだぞーっていう。ただしそれを作り出した白人を責めるような内容ではないだろう。あくまでも白人たちは黒人イコール奴隷、という図式を常識として受け入れているだけだと幾度も描写があったからな。