先週とかに読んだ『嘔吐』とか『異邦人』より易しい文章の本が読みたいなーとか思って読んだ。サマリと感想を書く。



飲み会の帰りにノリでクラスメートと寝た主人公、愛子ちゃんが翌日ガッコへ行くと、そのクラスメートが昨晩のうちに失踪し身代金の要求がきていた事を知る。最後に会ったのはお前なんだから、なんか知ってんだろ、オラ、と同級生たちから詰め寄られる愛子ちゃんだが、知らねーよまったくという感じ。知らねーは知らねーが、片思いの男の子が失踪したそいつの行方をがんばって追っているそうなので、一緒に追えばちょっと仲良くなれちゃったりするんじゃね? と若干不謹慎な愛子ちゃんだ。そのころ近所ではろくでもなし共による「調布アルマゲドン」なる大規模な乱闘騒ぎが起きており、ガクブル愛子ちゃんは家にこもっていたのだが、その騒ぎに乗じて現れた、愛子ちゃんに恨みのある同級生に金槌で殴り倒されてしまう。
生死の境にある愛子ちゃんは自分の内面世界なのか何なのか、妙ちきりんな世界に迷い込んだり、謎のホラーな謎の森をさまよったりするが、突如現れた霊能者と片思いの男の子の働きにより死から救われギリ生霊としてこの世にとどまることができた。しかしその生霊は、巷で少々有名な猟奇殺人鬼の中に入り込んでしまう。混乱した殺人鬼はビルから身を投げて死ぬが、どうやら愛子ちゃんは戻ってこれたようである。戻ってきた愛子ちゃんは臨死体験を通しちょっと精神的に大人になって、片思いの男の子にはフラれたけれど今度は助けてくれた霊能者のことが気になって……でももう衝動的に行動する愛子ちゃんではないので、とりあえずは落ち着いて自分の世界を見つめてみるのでした。



い、意味がわからねえ…。拉致られたクラスメート、同級生たち、アルマゲドン、金槌女、謎の森、突然の霊能者、殺人鬼「グルグル魔人」といったアクのある連中が、よくわからん脈絡で登場しては詳しく語られないまま打ち捨てられていく。これはアレかな、この話の主題は愛子ちゃんの成長であり、その材料として現実的なものもオカルティックなものも非現実的なものも用意して愛子ちゃんにぶつけまくって、最終的に成長した愛子ちゃんステキング♪ って感じの楽しみ方をすればいいのかな。あるいは、アッパーな語り口の愛子ちゃんがハチャメチャにビュンビュン東京やら魔界やらを飛び回る、ワクワク系ファンタジーとして楽しめばいいのかな。後者のほうが適切かもしんない。あんまり意味とか求めてもストイック過ぎるもんなあ。そこは親愛なるルームメイトの読書スタイルを見習おう。あいつは「わからん読むのやめた」「おもろい全部読んだ」くらいしか本に対する感想がない。

最初の狙いどおり、文章は読みやすくてさくっと読めた。