概要

親愛なるルームメイトが貸してくれたので読んだ。

サマリと感想を書く。

 

サマリと感想

  • 1話 染み: とある束縛系彼氏が事故で亡くなるんだが、その彼女のほうへ謎の染みが現れるようになる。染みをよく見ると「あやまれ」ってめっちゃ書いてあるエクストリーム・スクリーントーンみたいになっててこれは人間業じゃねえと彼女さんはビビってしまう。のちに彼女さんも亡くなる。だが、どう謝ればよかったのか……。
    • 主語と目的語が足りてない文章はいかん。
  • 2話 お祓いを頼む女: とある思い込みが激しい女性が、自分が祟りを受けたと考えて譲らない。でも冷静な説明を聞いたら冷静になった。よかったね。その後女性は変死する。あれ? まさか全部が思い込みじゃなかった?
    • 冷静さを欠いているひとはとにかくムーブが早い。こういうのを反面教師にして、ゆっくり動こう。
  • 3話 妄言: とある夫妻の隣人はヤベー奴で、夫の浮気を見たと嘘を妻へ喋ってきて夫妻の家庭は崩壊寸前だ。ある日、夫はとうとうブチギレて隣人を、故意ではないが、殺してしまう (懲役4年)。ただ思い返してみると隣人のホラ話で語られていた情景は、その後実際に発生していた情景であり、もしかしたら隣人はヤベー奴じゃなくて未来視能力者だったんじゃね? という仮説もある。
    • これで懲役4年は酷い話だ。
  • 4話 助けてって言ったのに: とある女性は月2で悪夢に悩まされている。火事で焼けた柱に押し潰される夢だ。霊能者に見てもらったところ、住んでいる家に霊が取り付いているっぽい。智世さんたちは家を売ることにしたが、心霊写真が撮れてしまったりして買い手がつかない。まごまごしているうちに智世さんは高熱で死んでしまう。
    • なんで家が売れるまで悪夢の家に住み続けてんだよ。マンスリーとか借りろ。
  • 5話 誰かの怪異: とある学生の部屋で怪異が発生するってんで、知人のツテでアマチュア霊能者がやってくる。御札とか貼ってくれるんだが、誰かがそれを破いたせいで霊が暴れてとんでもねーことになる。誰だよ破いたの! どうやら隣人の仕業。隣人は娘を亡くしており、霊が娘だと思ったのだ。アマチュア霊能者はその後死んだらしい。
    • 一人暮らしのアパートで怪異が発生するの、コワすぎ。
  • 最終話 禁忌: 以上の話を整理している「わたし」は、どの話にも、神楽坂の母、シンドウさまと呼ばれる霊能者が関わっている可能性に気づく。1話のカップルは彼女に将来を占ってもらいに行った。2話の女性は彼女に祟りの相談をした。3話のヤベー隣人は彼女の信者。4話の悪夢に出てくる幽霊は彼女に似た女性を悪夢で襲っていた。5話のアマチュア霊能者は彼女の信者。そしてどの話でも、彼女を疑った者が変死していると気づく。「わたし」はビビって、もうこれらの件には関わらないほうがいい、と考える。しかし同時に、彼女を探すな、もし出会ったら決して疑うな、とメッセージを残すことが義務だと考え、本書を出版した。
    • ヒュー! 一見関係がないと思える話が実はつながっていたり、全体的には理解できたけど細々と謎があるような話が、一度につながる快感をくれる最終話だった。
    • この本をとっても楽しめたので、親愛なるルームメイトに頼んで芦沢央さんの別の作品を貸してもらい、すでに1冊読んだ。でもそちらはあんまり楽しめなかったな。多分この小説は、お話自体もさることながら、語り部が淡々としていて緑さんの好みなんだ。
    • いやー、ミステリーとホラーの組み合わせって、どうしてこうワクワクするんだろうな!