新世界樹の迷宮 ミレニアムの少女。13。

あらすじ。
謎の樹海を有する辺境の街エトリア。そこへやってきた遥香・光・典子の三人組、そして現地で出会った仲間の和田・ハインリヒ。一行は樹海を探索するうち、樹海の大いなる謎を解き明かすことに成功する。その後のほほんと和やかにイベントボスなどをぶちのめしていく一行であったが、あるとき第五階層のさらなる下、禁じられた階層を発見する。







「もはや樹海じゃないわよね、これ。」
「世界樹の根にあたる部分なんじゃないかの?
 第五階層が古代の街の表層じゃったんじゃから、
 ここはそのさらに地下とみるべきじゃろ。」
「てか、五人で樹海に潜るのって初めてじゃねーか?」
「もう俺達を狙っていたヴィズルもいないからな、
 ギルドハウスを空けても問題ないだろう。」
「差し迫った問題もないし、
 みんなピクニック気分で行こうよ!」




「命の危険が差し迫ってるぜ。」
「毒ダメージがうちの最大HPを超えてるよ…。
 でも毎ターン<大蛇の痘苗>を使えば大丈夫かな。」
「あと物理攻撃(複数)もなかなにハードじゃな。
 幸い今は五人じゃから、ふたりパリング要員にすれば
 まあまあ安定じゃが。」
「そうだな。では攻撃の方は俺が担当するか。」
「……。」
「あれ、どうかしたの、はるちゃん?」
「ちょっと提案があるのよ。」
「なんじゃなんじゃ、水臭いのう。なんじゃ改まって?」
「レベル上げしたいわ。」ブルブル
「はるちゃんのレベル上げ症候群が出た!?」
「禁断症状で手が震えとる!?」
「ぶっちゃけるとあとは裏ラスボスを倒すだけだから
 レベルは必要だし、それなら第六階層を探索する前に
 レベル上げしちゃって、ラクに進めたいわ。」
(はるちゃんがもろメタ発言をしてるんだけどツッコミ待ちなのかな?)
(いやアレは錯乱しとるな。)

そしてレベル上げの後…。

「レベル99よ。」ツヤツヤ
「ぜえ、ぜえ。とんでもねえ作業ゲーだったってのに、
 なんで遥香ちゃんのお肌は心無し潤いまくってるんだ…?」
「レベリングにアンチエイジング効果があったとは…。」
「すごいよはるちゃん!
 お肌がまるで30代の頃に戻ったみたいだね!」
「実年齢より上なんだけど!?」
「あたしもちょっとレベル上げてくるぜ!」
「だからもうレベル99だって言ってんでしょうが!」




「でもおかげで最下層まで苦労なくこれたね。」
「ちょ、おい、向こうに何かいないか…?」




「ぎょ。なんだこいつ?」




「おわあ、HPの二倍のダメージを食らって全滅したぜ。
 なんだったんだあいつ?」
「あ、あんなにレベル上げたのに一瞬で全滅…レベル、レベル…」
「躁鬱が激しいな…。」
「相手の攻撃力が高すぎるから、完全に無効化するか、
 相手の動きを止めるかしないとダメそうだね。」
「ふうん。じゃあ典子ちゃん、あたしがグリモア化した<畏れよ、我を>を
 使ってみるかい? テラー付与スキルなんだが、
 LUCの高い典子ちゃんが使った方いいだろ。」
「状態異常を使うんじゃったら、
 ワシの<カタストロフ>も使ってみるかの?
 使用した次のターン状態異常付与率を上げるスキルじゃ。」
「合点承知の助!」

VSフォレスト・セル戦術1
ターン数ダークハンターバードカースメーカー
1プレイバント(自分)カタストロフ重苦の呪言
2火竜の猛攻(自分攻撃力↑)畏れよ、我をファイアガード
3以降エクスタシーで攻撃命ず、言動能わず封の呪言三種を適当に




「一戦目から成功とはいかなかったけど、ちゃんとテラー入るね!」
「仮にテラーが長時間保つならこれで勝てる計算なんじゃがな。」
「実際テラーが保つのは5ターン前後か。
 それだと光くんの攻撃だけだと倒しきれない感じだなー。
 なにせこの野郎、HPが阿呆みたいに高え。」
「しょうがないの。
 これで最後じゃし、ブレイクスルーを使うとしようぞ。」
「お? というと?」
「妹を呼ぶ。」




「え? え? え? え? ちょ、ちょっと兄さん?
 え? ここどこ? え?」
「どうしたんじゃ光利?
 目の前に敵がいるんじゃぞ、構えよ。」
「突然故郷から呼び出されて、突然ダークハンターに転職させられて、
 レベル99まで上げられて、ちょ、典子さん説明を…。」
「ちょっとメンバのひとりがお尻かゆかゆ病にかかってね、
 冒険のお手伝いを頼みたいんだよ!」
「お手伝いって…どえええっ! 何この化け物!?
 ラスボス倒したあとの裏ダンジョンの裏ラスボスみたいな
 雰囲気漂ってますよ!? 初心者が戦う相手と違うでしょ!?」
「かかか。冗談キツいぜ、光利ちゃん。
 こんなのドラクエでいえば、まあ、
 パペットマンくらいの立ち位置だっつーの。」
「うち達もルーキーの頃は訓練で一日三匹くらい倒したよね!」
「冒険者……すごい!」
(不憫な…。)
「パーティ5人になったところで、作戦はこんな感じじゃ。」

VSフォレスト・セル戦術2(Bはブースト)
ターン数










































































1プレイバント(自分)プレイバント(自分)グッドラック(テラー成功率↑)カタストロフ軟身の呪言
2火竜の猛攻火竜の猛攻ファイアガード(このターンのエクスプロウドを防ぐ)畏れよ、我を重苦の呪言
3アームボンデージ(腕縛り)レッグボンデージ(脚縛り)禁忌の輪舞曲命ず、言動能わず森の結界(敵防御↓)
4以降エクスタシーエクスタシー群狼の襲撃(このターン味方攻撃力↑)命ず、言動能わず縛れてない部位に封の呪言
封じ箇所が多いターンBエクスタシーBエクスタシーB群狼の襲撃B命ず、言動能わず縛れてない部位に封の呪言
装備: 全員クリスタルアイ(1ターン目の全体即死無効)
備考: アタッカー二人はダブル憤怒の力

「テラーと<言動能わず>で動きを止めつつ防御力を下げて、
 部位縛りで<エクスタシー>のダメージを上げて叩き切る作戦だね。」
「体感じゃと、この構成でテラーの成功率が1/4ほど。
 部位縛りの成功率は1/3くらいかのう。」
「この程度の成功率ならトライアンドエラーも容易ね。」
「あ、あのう。私と兄さん、戦闘前から
 HPがレッドゾーンなんですけど…。」
「<憤怒の力>で攻撃力を上げているのさ。
 安心しな、光利ちゃんのことはあたしらが守ってやるぜ。」
「は、はい!(冒険者ってちょっと格好いいかも!)」
(悪徳商法みたいねなんか。)




「二箇所縛り、B言動能わず、Bエクスタシーでこのダメージじゃ
 …ってなんじゃこのダメージ!?」
「約三万って…さすがに埒外ね。」
「うちの毒ダメージ30回ぶんだよ!
 い、いったい何倍のダメージなんだろう!?」
「落ち着け典子ちゃん。
 へっ。裏ラスボス戦には相応しいダメージじゃねーか!」
「え? 裏ラスボ…?」
「うららかなボス戦には相応しいダメージじゃねーか!」
「うららかなボス戦って何ですか!?」




「ふう、終わったね。
 でもこのモンスターは何だったんだろね?」
「フォレスト・セルって名前からして、世界洗浄マシーンたる
 世界樹の核みたいなものだったんじゃないかしら?」
「か、核!? 結局うち達、世界樹壊しちゃったの!?」
「世界樹のメカニズムが分からない以上、なんとも言えないわよ。」
「それこそ分かるのは千年前の人間であるヴィズルくらいじゃろう。
 考えても分からん以上、ワシらが気にしても仕方あるまいて。」
「せ、世界? 千年? …なんだか私、燃えてきました!
 乗りかかった舟です、皆さん、行きましょう!」
「かかか。やる気十分だな。よし行こうじゃねーか!
 次回、エピローグ!」
「はい! …はい!?」
「うち達の冒険は、始まったばかりだ!」


<グッドラック>はストーリーメンバのハイランダーがグリモア化したもの。


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