先週書いたとおり読書をはじめた。それで折角なんで、読んだ本のサマリーと感想みたいなもんを気が向いたときは書こうかなと思う。読了後のそういったタスクを念頭に置いておけば読書中の刺激にもなるだろうし。まあデミアンほど気を入れて考えることはないだろうけれども。


千松信也『ぼくは猟師になった』

子供の頃から自然と触れ合う暮らしをし、のちに猟師となる著者の自伝みたいな本。本は猟師生活の紹介を中心として構成されているのだけれども、前半、千松さんが子供時代、自然と向き合う姿勢を構築していったその過程の描写が俺としては共感できて印象深かった。土家由岐雄の『かわいそうなぞう』を読んで動物園が嫌いになって、自然に影響を与えずに暮らしたいという価値観に繋がったり。クルマに轢かれ倒れている猫を無視してしまったことで、一度は志した獣医を諦めたり。とくに後者の描写は心を打たれてちょっと悲しくなった。子供のころって、こういうちょっとしたワンモーメントの出来事が価値観を大きく変えてしまうものなのよなー。
本のメインコンテンツである猟師生活の記述はとても丁寧でわくわくしてくる。あと、知識もなしに知ったかぶる人や、著者と意見を異にする人をときおりサラッとディスっていて笑える。
それと解説書いてる人の、うまいこと言おうとしてるんだけど失敗してる感が歯痒い。あ、本関係ねえ。

個人的には、猟師が山で漁を出来るのは一年のうちほんの三ヶ月間だっていうのがへぇーって感じだった。野生肉が臭いといわれる理由とか、肉がマズくなるメカニズムとかも新知識で面白かった。たまに挿入されるカラー写真つきの解説も楽しかったね。

読書リハビリの最初としては気楽でよい感じでした。