知り合いが貸してくれたので読んだ。いつも通りサマリと感想を書く。






かんたんに要約すると?
ユニバース体験をかさね、魂願を明らかにし、菩提心を得よう!
これら用語を解説するかたちでサマリしていくぞ。

ユニバース体験って何?
世界と繋がった、と意識するような体験のこと。自分が世界の一部であることを理解する体験。ようは俺の「人は石である」理論と根源が同じだから理解できる。このユニバース体験を重ねて生きてゆく道のことを魂の冒険と呼ぶ。

魂願ってのは?
それぞれの人間が、ほんとうに望んでいる願いのこと。ユニバース体験を重ねることでそれに気付く瞬間がやってくる。言いたいことは理解できる。ユニバース体験って、ようは視野が広くなるってことだからね。他人(あるいは自分)の決めた枠組みやルールを抜け出し、広い世界をみて、「あれ!? 実は俺って何でもできるじゃん!」てことに気づいたらそりゃ目標も変わる。

菩提心ってのは?
魂願が明らかになることで、人が心に抱く闇、煩悩は菩提の光に転じる。であるからして、上述の「魂の冒険」とは、煩悩に満ちた心を菩提心へと変えていく修行の道ということにもなるわけだ。

改めてまとめると
まあこれを俺の言葉に直してみると、視野が広くなることで不満が減じ思考にゆとりができることでいろんな試行を行うことができてハッピー♪ ってところだろう。

著者のユニバ体験
5歳のとき路上で倒れて光のドームと一体化する。そのときから霊が見える。
小6で雷に打たれそうになったとき神の声をきく。「私は見えない世界に通じる力を与えられた。ならばそれに応えていこう」と決心する。



というわけで今回はどうやら人生哲学、自己啓発書だった。ぶっちゃけユニバ体験やら魂願やら菩提心については、まあちょっと言葉の使い方が違うだけで俺の考えと同じといっていいだろう。ただし「自分は世界の一部」という同一のファクターから著者は絆の繋がり、魂の連鎖、魂のもつカルマと浄化、あたりに思考を繋げているのに対し、俺は「そんなら俺もあいつも犬も猫も草も石も全部同じようなもんだね」とほぼ真逆をいっているのが面白い。

とまあ基となる理論がほぼ同じ部分は楽しめたんだが、この本、語りが胡散臭すぎ。
  • 霊が見えるのくだり。いや俺も昔死んじゃった犬が守護霊になってくれていると信じてるし、否定はしない。だが上の内容の解説に必要か?
  • ある人と父親の霊との会話を中継するシャーマン的役割を果たしたエピソードがあるが「そのときこの方とお父上は、彼らしか知り得ないお話をされました」ってそんなインチキ霊媒師の触れ込みみたいなダメ押しはヤメたほうがいいんじゃ。
  • やたらと仏陀、イエス、アインシュタイン、ワーグナー、モーツァルト、羽生善治、偉人のエピソードを例に挙げ彼らもユニバ体験をしたということを言っている部分。偉人たちが理論の正当性のダシに使われているように見えちまう。人によっては、まるで偉人らもユニバースの考え方を肯定しており、その考え方をすることで偉人たちに近づけるという理解をしちゃうんじゃねえ? 理論に自信があればあるほど、そういう一部の突出した具体例に頼る説明は避けたほうが。