新世界樹の迷宮 ミレニアムの少女。5。

あらすじ。
謎の樹海を有する辺境の街エトリア。そこへやってきた遥香・光・典子の三人組。樹海の探索を進め第二階層を突破した一行は第三階層へと歩みを進める。そこで待ち受けていたのは、これバランス調整間違ってませんかレベルの雑魚戦。そして巨大な蟻の、魔物の巣であった。







「樹海が青いわ! 何よこれ、奇っ怪ねえ。」
「もうだいぶ地下じゃから、光合成の必要がなく、
 葉緑素を持たないんじゃろうな。」
「光くんが何か頭よさそうなこと言ってる。キャラ崩壊だ!」
「なんじゃなんじゃ。ワシ頭いい系のイメージじゃろ?
 ワシから頭いいイメージ取ったら何も残らんくらいじゃぞ。」
「光くん、ヒツジはシープ、ヤギはゴート、イヌはドッグ。
 さて、カッパは何かしら?」
「か、カッパ?
 り、リバーモンスターとかかの…?」
「レインコートよ。」
「ぶほっ!」
「あれれれ? 光くん、頭いいんだよね?」
「ぐぬぬ……あ、アレじゃ、馬鹿と天才は紙一重って言うじゃろ?
 今日は馬鹿の日なんじゃよ。」
「日替わりなのか…。」
「あははは!」




「さて…現実逃避のバカ話はこれまでにして、
 そろそろ辛い現実に帰りましょうか。」
「雑魚敵が強すぎるね。」
「このハニーアント…ワシのアナコンダの毒ダメージを
 片端から回復するので永久に倒せんぞい。」
「敵の攻撃力が高いのも問題ね。
 ほとんどの敵に、光くんが一撃で沈められるわ。」
「はるちゃんが挑発で攻撃を引き付けるなんてのは?」
「それは第二階層でとっくにやって、引き付けたはいいものの
 アタシのHPが耐えられなくて頓挫した作戦でしょ。」
「挑発と同時にストナードで防御力を上げることもできそうじゃが、
 お金がかかってしょうがないしのう。」
「パリングで凌ぐのもやったけど、毎戦闘毎ターンするのは
 どう見積もってもTPが足りなくて不可能ね。」
「詰んだね。」
「帰って実家の八百屋でも継ぐかの。」
「いやいや、一番基本的な作戦を見逃してるわよ。」
「ゲームの難易度をSTANDARDに下げるとか?」
「レベル上げよ。(メタ発言は無視)」

一ヶ月後…。

「というわけでレベル40ね。」
「ステータスは言わずもがな、HPブーストレベル10のグリモアができて
 耐久力がだいぶ上がったのう。」
「レベル30であれだけ苦労した雑魚敵が、光くんのアナコンダ一撃で
 消し飛ぶようになっちゃったわね。
 いやー充実したレベリングだったわ。」
「はるちゃんレベル上げ好きだもんね。
 トキワシティでリザードにしちゃうタイプ。」
「捕まえたはしからレベル上げするから、
 セキチクシティの段階で図鑑が100匹に達するタイプじゃな。」
「この階層にやたらと蟻がいるのは女王蟻の魔物がいるせいらしいわ。
 やるわよ、アンタ達!(メタ発言は無視)」




「とりあえず巣を上・右・左・下・右の順番で壊したら
 増援がなくなったよ!」
「相手の攻撃は…何だか最近こればっかりだけど、基本的に物理攻撃ね。
 アタシが攻撃を凌いで、光くんが毒を入れる、いつものパターンかしら?」
「それなんじゃが、とんでもないことが判明したぞい。」




「ワシより典子くんがアナコンダを撃った方が
 毒ダメージが高いんじゃ。」
「毒ダメージがTEC依存とは思わなかったよ。
 てっきりスキルレベルで固定だと思い込んでたね。」
「じゃ、折角だから今回は典子ちゃんをメインアタッカーに据えて
 やってみましょうか。」
「忘れず鞭装備に換えるんじゃぞ、典子くん。」
「さー・いえっさ!」

VSクイーンアント戦術(スラッシュ以降はグリモア)
ダークハンター通常攻撃(氷)、10ヘッドボンデージ
パラディン10挑発、9渾身ディフェンス、10HPブースト
バード1慧眼の旋律、10安らぎの子守唄/10禁忌の輪舞曲、10アナコンダ

「ワシは自分にフリーズオイルとストナードを使ってチクチク攻撃じゃな。
 170ダメージ程しか通らんから毒ダメージのオマケみたいなものじゃが。」
「アタシは渾身ディフェンスで堅めて挑発ね。あとはずっと防御よ。
 バフの延長は典子ちゃんがレベリング中にグリモア化した
 <禁忌の輪舞曲>でやってもらうわ。」
「うちは<安らぎの>でみんなのTP回復、<禁忌の>でみんなのバフ延長、
 蟻さんが<土けむり>で命中を下げてきたら<慧眼の>で中和、
 ブーストが溜まったらアナコンダ…。目が回るよ!」
「あはは。ちなみに今回はアタシが攻撃を受けきれるかにかかってるから、
 盾マスタリ、DEFブースト、HPブーストあたりは網羅してるわよ。」
「たまにワシに攻撃が飛ぶこともあるが、ワシは基本手漉きじゃからな。
 すぐアイテムで回復するぞい。」
「ハッキリ言って雑魚戦のほうがたいへんだったよ。」




「終盤にワシが<ヘッドボンデージ>で頭を封じて、
 条件レアドロップ入手じゃな。」
「ギルドの先輩たちが作ったモンスター図鑑があるから、
 レアドロップの条件が予め分かって助かるね。」
「じゃ、さっそく商店へ売りに行くかの。」

シリカ商店にて。
(゚▽゚*)<新しいのがあるから見てってね!




「えっ!? っや、やっと装備できるのが
 お出ましだー!!」ザブーン!(背景に『神奈川沖浪裏』を背負いながら)
「ちょっ、しょ、正直不意を突かれてリアクションが間に合わないけど
 来たわーっ!」ロダーン!(背景に『考える人』を背負いながら)
「背景の選択ミスが致命的じゃな…。」
「とはいえアレね、この所持金のうちアタシ達が自由にできるのは
 63,515エンだけなのよね。ちょっと今すぐには手が出ないわ。」
「でも頑張って稼げば強武器が手に入るっていうのはモチベーションだよ!」
「そうね。レベリングの楽しみもひとつ増えるわね。」
「レベリング好き過ぎじゃろ!」


このバードが毒役を引き受けられるのは元カースメーカーならでは。今後は元ブシドーならではのダブル憤怒の力による大ダメージ、あるいは先制攻撃のできるパラディンなどを活かせていけたらなと。


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